最終章・木花咲耶姫(コノハナノサクヤビメ) 編


 笠沙の岬の美しい女性
 ニニギノミコトは笠沙の岬(鹿児島県川辺群笠沙町の野間岬)で美しい女性コノハナノサクヤヒメ※①と会う。求婚し了承を得るべく父親に会いに行くと姉も一緒に嫁にしてくれることを条件に結婚を承諾。
 コノハナノサクヤヒメ身を持って神の子と証
 器量の悪い姉姫を里に返し一夜で身ごもるコノハナノサクヤヒメに対しニニギノミコトは我が子ではないと認めようとしない。正真正銘神の子であるという証を立てるためにコノハナノサクヤヒメは家の出入り口を土でふさぎ火をつけ、もしも神の子であるなら苦しまずに出産するでしょうと火の中で苦しまずに三人の神を産む。 
海彦、山彦 
 産まれた神はホデリノミコト、ホスセリノミコト、ホオリノミコトの三神でした。それぞれに成長しホデリノミコトは海幸彦、ホオリノミコトは山幸彦と呼ばれるようになり、それぞれに山と海で漁をしていた…ある日、弟神、山幸彦が兄の海幸彦に道具を取り換えてそれぞれに漁をしようと提案しそれぞれに漁をしていたが弟神に釣果はなく挙句に兄神様の釣り針をなくしてしまった。 
 兄神様が許してくれず泣いていると
 自分の剣で何千もの釣り針を作って渡そうとしても許してくれず、途方に暮れて海辺で泣いていると、沖からシオツチノカミ(塩椎神。海水の神)がやってきて訳を聞くと、すき間なく竹で編んだかごの船を造って、それにヤマサチを乗せて、押し流し、潮の流れる道を進んで行くと、魚のうろこのように造られた宮殿にたどりつく。そこには、ワタツミノカミ(綿津見之神。海を支配する神)の宮殿がありその宮殿の門まで行くと、そばの井戸の近くに神聖な桂(かつら)の木があり、その木の上に座っていれば、ワタツミノカミの娘がそれを見て、何かよいことを考えてくれるはずです。と教えてくれた。 
 トヨタマヒメ
 言われて通りに桂の木の上に座っていると、侍女が美しい瓶(瓶)で井戸水を酌もうとしたところ井戸の水面に人影があり振りかえると、とても麗しい美少年が木の上に座っていて水を飲ませてくれと言う、侍女は、水を酌んで、瓶に入れて差しだした。しかし、ヤマサチは、その水は飲まずに、首飾りの玉をとって口に含むと、その瓶の中に吐き出した。すると、その玉が瓶にくっついてとれなくなって、そのままトヨタマヒメにその瓶を差し出した。トヨタマヒメはその玉を見てわけを聞くと、美少年が桂の木の上に座っていると、侍女が言うのでトヨタマヒメは、外に出てその美少年を見た。トヨタマヒメはその少年を一目で好きになってしまった。そこで、お父さんのワタツミノカミにそのことを話すと…。 
 トヨタマヒメと結婚
 アマテラスオオミカミの子孫であるソラツヒコ(虚空津日高)だと知る。ヤマサチを宮殿の中に案内し、アシカの皮で作った敷物を何枚も重ねて、また絹(きぬ)の敷物も何枚も重ねた上にヤマサチを座らせ、そして、たくさんの品々を貢(みつ)ぎ、ごちそうをふるまって、娘のトヨタマヒメとの結婚式を挙(あ)げた。こうして、ヤマサチは、それから三年の間、海底の国に住みました。 
ヤマサチの復讐 
 三年の間海底で過ごしても海幸の仕打ちが頭からぬぐえずため息をついているとワタツミノカミにどうしてかと問われる…山幸はここに来るまでのいきさつを話すと、なくした釣り針を探してくれた上に兄神へ仕返しをする方法、貧乏にする術を教えてくれる。それで兄神様が恨んで襲ってくるようであればと、潮満玉(しおみつたま)と潮乾玉(しおふるたま)の潮の干満を自由に操れる玉を授け苦しめて、あやまれば命は助けてやるようにと進言。 
 海幸彦、山幸彦の僕に
 ワタツミノカミに言われた通りにすると、海幸彦は地面に頭をこすり付けるほど土下座(どげざ)をして、「わたしは、これからあなたを一日中お守りするために、お仕えすることにいたします。」と自分の所業を詫びた。 
 古事記をもとにわたしなりに解釈したものです、転用を禁止します。
鹿児島県南さつま市      野間神社