因幡の白ウサギ |
オオクニヌシには多くの兄弟がいて兄弟の誰もが因幡に住む美しいと噂のヤガミヒメ(八上比売)※①を嫁にしたいと思っていた…ある日オオクニヌシを家来のように荷物を持たせ兄弟神皆が連れ立って因幡に向かいます。その道中、毛の全くない裸で泣いているウサギに会う。 |
神々はウサギに治療のアドバイス |
兄神様たちはウサギに体を塩水で洗い丘で乾かすとよくなると教える…教えられたとおりにしたところ風が吹いただけで突き刺すような痛みで前よりひどくなり泣いていた。そこへオオクニヌシが通りかかりどうして泣いているのかを尋ねた…(右、説明)…ならば、真水で体を洗い蒲の花粉で身を包みなさいそうすればよくなるとアドバイス…その通りにするとすっかり元通りになったウサギはあなたこそがヤガミヒメと結婚できる方だと告げる。 |
ウサギの予告通りヤガミヒメがオオクニヌシを選ぶと兄弟神は |
嫉妬した兄神様たちはオオクニヌシを殺そうと画策。因幡からの帰り伯耆の国の手間の山※④の麓で「この山には赤イノシシがいる、私たちが追ってくるから山の下で受け止めよ」と命じ真っ赤に焼いた石を転がし落とす…それを受け止めたオオクニヌシは死んでしまう。 |
オオクニヌシ復活 |
オオクニヌシの母神様が嘆き悲しみ高天原のカミムスビノミコトに相談、カミムスビノミコトはキサガイヒメ(キサ貝=赤貝)とカムガイヒメ(蛤)を遣わした。両ヒメが身を削り合わせて母乳のようにしたものをオオクニヌシの体に塗ると美しい青年に復活。 |
再び兄弟神がオオクニヌシを殺すが母神様が復活させる。 |
兄弟神はオオクニヌシを誘い出し大きな木を伐りくさびを打ちその隙に入るよう命じくさびを取ってしまう。木に挟まれ死んでしまうオオクニヌシを母神様が再び助けてアドバイス…ここにいてはまた殺されてしまうから紀伊の国(和歌山県)のオオヤビコノカミ(大屋毘古神)※⑤の所へかくまう。 |
オオヤビコノカミ、根の堅州国のスサノオの所へ行くようアドバイス |
なおもしつこく追ってくる兄弟神…手におえないオオヤビコノカミはオオクニヌシへスサノオノミコトがいる根堅州国※⑥へ行くよう進言。 |
スサノオノミコトの娘スセリビメ |
オオヤビコノカミに言われるようにスサノオノミコトの所へ来たオオクニヌシはスサノオの娘スセリビメと出会う…スサノオの許可なく契りをかわし結婚してしまう。 |
娘を取られ怒ったスサノオは |
怒ったスサノオノミコト、オオクニヌシを宮殿に呼び蛇でいっぱいの部屋に寝させる…がスセリビメが三度振れば蛇にかまれずに済む布をオオクニヌシに渡し何事もなく一夜が過ぎる、こんどはムカデでいっぱいの部屋に寝かされる…が同じように三度振ればムカデにかまれずに済む布をスセリビメが渡し何事もなく部屋から出ることができた。 |
スサノオの気まだおさまらず。 |
スサノオノミコトは音の鳴り響く矢を野に放ちその矢を取ってくるように命じる…オオクニヌシが探しに出かけるとその野に火を放つ。火に囲まれ行き場を失い窮地に陥るオオクニヌシ…とそこへネズミが出てきて誘導し火に囲まれずに済む穴で火をやり過ごす…その上ネズミは子供たちがかじってぼろぼろになってはいたが音のなる矢を持ってきてくれた。 |
スサノオの試練クリア |
いくらなんでも助かりようがないだろうと葬式の用意までしていたスサノオノミコトとスセリビメは焼け野原から出てくるオオクニヌシを驚きの目で迎える…音の鳴り響く矢をスサノオに渡すとスサノオは宮殿に招き入れ頭のシラミを取るよう命じる…頭にはシラミどころかムカデでいっぱいだった…スセリビメはオオクニヌシへ椋の実と赤い土を渡す…オオクニヌシは椋の実と赤土を噛み砕き吐き出した…スサノオはオオクニヌシがムカデを噛み千切っているものと勘違いし、かわいいやつだとオオクニヌシを認め寝てしまう。 |
スサノオの試練乗り越えたオオクニヌシは |
寝てしまったスサノオの髪をつかんでその部屋の垂木に結び付け、大きな石でその部屋の出入り口をふさぎスセリビメを背負いスサノオの太刀と、弓と美しい琴を持って逃げようとした…とその時、琴が木に触れ地面が鳴り響くような音を立てた、スサノオが目をさまし事に気づいて部屋を引き倒し後を追おうとするが垂木に髪が結ばれているため動けずそれをほどいている間に遠くまで逃げられてしまった。 |
出雲の国を作る |
スサノオは黄泉平坂まで追ってきて遠くにいるオオクニヌシへ向かって「ワシのその太刀と弓矢でお前の兄弟たちを山や川に追い払いオオクニヌシノカミとなりまたウツクシクニタマノカミ(オオクニヌシ別名)となり、スセリビメを正妻とし、御崎山(羽化山。島根県出雲市の山)※⑦の麓の地面の底の石の上に太い柱を立て、天高く千木を上げてその宮殿に住め!コンチクショウ野郎!」といった。…オオクニヌシはその通りに事を運んだ。一方、ヤガミヒメはかつての約束通りオオクニヌシと結婚をし連れてこられたが正妻のスセリビメに遠慮して自分の子を木の又に差し込んだまま因幡の国に帰りになった。おいて行かれた子はキノマタノカミまたはミイノカミ(御井の神)と呼ばれています。 |